ブラック企業を脱するために

働き方、考え方、ブラック企業の見分け方、感じたことを書き綴っていきます

継続力のなかったブラック企業

ブラック企業を脱するためにと題してブログを書き始めていますが、実際に私が勤めたブラック企業の特徴を書きながら、今現在「ブラック企業かも」と思いながら仕事をしている方が、自分の勤めている会社を見極める参考になれば非常に幸いである。

私が居た企業では、非常に悩ましかったことは「継続力」のないことであった。

継続力ならまだいいかもしれない。思い起こせば「実行力」すらなかった。
それはひとつは、変化することを拒絶しているかのように思えるときもあれば、「自分の決めたこと以外はできない」ということかもしれない。

会議で出た驚きの一言

とある会議で、働き手・お客様に対して提供した新しいサービスについて議題があがった際、参加している管理職のメンバーからも様々なアイデアが出たことがあった。

この時点では、管理職の中にも「会社を変えたい」と行動するメンバーも多く、会議での議論も一生懸命であった。

管理職を含む社員全てが「お客様に対して満足いただけるように〇〇をしよう」という決定がなされる際、その案は社長の一言で消えてしまったのだ。

 

「考えたところで、うちの会社は継続することが苦手だからやめとこう」

 

モチベーションを下げることは一級品

ブラック企業に勤めていたり、ブラックな上司の元で働いている方なら、誰しも思ったことがあるのではないか「この人は、人のモチベーションを下げることだけは、なぜこんなに上手いのだろうか」

当然その場にいた全ての管理職がドン引きである。

 

しかも、それは一回限りではない。
時には実施事項を確定しようという段階で「ちょっと出てくる」と、そのまま戻らなかったり。

別支店から来た管理職は、早朝5:00には家を出なければならないスケジュールで会議に参加し、結局は何も決まらずでは、当然会議に参加することに対しても気持ちが進まなくなれば「どうせ話しても無駄だろう」と考えることを避け始める。

そうして会社を去るメンバーも非常に多かったのだ。

 

自分で考えたサービスも同様に・・・

話が脱線してしまったが、結局会議で決定された事項は管理職責任で実施することになり、その際は乗り切ったのであるが、度々「自身で考えたプロジェクト」を一人で独断で進めることがある。

もちろんスタートはやる気満々なので「全て俺が管理する」と言い、常連のユーザー様等を巻き込むのであるが、もちろん自分のモチベーションも長続きしない。

結局は引継ぎもせずにサービスを放置してしまうので、常連のユーザー様も離れてしまう。挙句には「宣伝出来てるのか?」と、新入社員を捕まえて叱咤する。

 

何度かは、あまりに破天荒で無計画な行動に「もしかして、これは意図的にやっているのだろうか」と感じることすらあったのだが。。。

 

継続力がないことにより起きてしまっていたこと

様々な業務や思い付き、考えたことに対して基本的に継続できないというのは、社員ではなく社長自身だと、ほぼ全ての社員が悲しいことに理解していた環境だったのだが、本来指導側に居る人間が「継続できない」ことにより、大きな問題が発生していた。

まるでイソップ童話の「狼少年」のように、誰も社長のいうことに対しては「どうせ続かないんだから」と、取り組む意識が低くなってしまう。

良くないことに、それがユーザー様に対して出されているサービスであってもだ。

もちろん、お客様からしてみれば「ブラックな社長」も「苦労している社員」も関係ない。だから、お客様からしてみればサービスについてやり取りするスタッフが「ダメな社員」に移ってしまい、自社が提供するサービスへの信用が低下してしまう。

そうして、そのプロジェクトがいつの間にか形だけのものになってしまう。

 

さらに質の悪いことに、いきなり思い出したかのように「そういえば、あれはどうなっているのだ!」と癇癪を起してしまうことがあるのだ。
それに怯えて、社員は存在しているかも微妙なプロジェクトを、一応覚えていなければならないという事態が発生する。

 

何事も継続すれば。とは言えないが、少なくともやると言っている以上はユーザー様に対してサービスを提供しなければならない。それをできないのにやってしまうことで、ユーザー様と直接やり取りをする社員自身が、望んでもいないのに「ダメなスタッフだな」と判断されてしまうことがあるのだ。

 

継続力がないのに、色んなことを無鉄砲にやってしまい、働いている方が「忙しいのに、何が忙しいのか分からない」などと四苦八苦している環境は、少なからず存在するのではないだろうかと感じることがある。

持てないものは捨てるべき。
出来ないことはやらない。

 

だが、継続できないとなると。

などと、頭を悩ませていたものであります。

2代目オーナーは会社を潰す?

私が在籍していたブラック企業は社長が二代目(創業者の息子)に代わり3年程度の企業で、懇意にしてくださるお客様から見ても「ブラック企業」だと認識されていた。

そのため、お客様からもよく「やっぱり二代目社長はダメだな」などと言われていたものである。

タイトルにあるように、2代目オーナーは会社を潰すという点について、私個人としての答えは「NO」だと思う。

なぜ2代目社長はダメだと言われるのか

私自身、本当によく「二代目はダメだな」と色々なお客様に言われながら、本当に二代目だからダメなのかと少しだけ考えたことがあり、「二代目社長」=「ダメ社長」的なイメージを持っている方は多い。

けれども、世の中に二代目でも非常に素晴らしい経営者はいるし、二代目になったことで素晴らしいという評価が拡大した企業もある。

そのことからも、決して二代目だからダメだということはない(と思う)。

しかし、私がいた会社で言えば、少なくとも二代目はダメだった。40年以上も続いた企業が二代目になり、長くお付き合いいただいている常連様からも「ダメだ」という意見が非常に多かった。

あくまで一例にすぎないが、その環境の中で言われていたことは、ほとんどのお客様から同じ意見だった。

お客様が来てくれることが当然な環境で育った

常連のお客様曰く「今の社長は小さなころから、会社にお客様が来ることが当然であり、お客様に煽てられて育ったため、お客様に感謝の気持ちが全くなく、若いくせに年配の私たちを小馬鹿にした態度をとる」ということだった。

それは、一人の常連様の意見でなく、複数のお客様から言われたことであり、長く勤めている従業員からもそう思われていた。

実際にそうだったのか、それとも喜びを表現することが極端に苦手だったのかは、今では確かめようもないが、ゼロからスタートした創業者とは大きく評判が異なっていた。

しかし、私がそうした話をした際に、従業員からも常連様からもそういう意見が出ているにもかかわらず、本人の耳にそうした状況が入っておらず初めてきいたような顔をしている姿を見たときは、まるで「裸の王様」を見ているような気がしたのを鮮明に記憶している。

その状態では「二代目だから」と言われてもしょうがないと感じるものである。

ただ、私はそれでも「二代目」=「会社を潰す」とは思っていない。

事業を継続することは非常に難しいこと

私がいた企業は創業から40年以上に渡って事業を継続している老舗企業だった。

変わりゆく時代の中で、事業を継続させることは至難の技だと思う。そうした環境の中で事業を創業者から引き継ぎ、多くの従業員の生活を見なければならない。

その企業では、二代目になる社長は就職をした経験がなく、社会に出るとともに家族経営の企業の役員となり、そのまま事業を引き継いだのである。

必ずしも企業勤めの経験がなければ経営者になれないかというと、最近の若い方を見ると決してそんなことはないと思う。ただし、人に圧倒的に慕われていない経営者が老舗の事業を引き継ぐのは、到底難しいことかもしれない。

それだけ事業の継続や引き継ぎは難しいものだと思う。

問題は二代目ではなく、引き継ぎや教育ができなかった側

必ず無理だとは私も言えないが、長く続く老舗を社会に出たと同時に役員となり、右も左も分からないままに経営をしていくのは、ほぼ不可能と言っていいのではないか。

少なくとも人望は必要である。また能力がなくとも人に慕われ、企業として困難を乗り越える道もあれば、様々な方法でお客様に素晴らしいサービスを提供することは可能だと思う。

しかし、休みを出さず残業代も出さず、信頼を得ていないままに過酷な条件で働かせていては状況は悪化する一方である。

そうした環境に至ってしまったのは、しっかりとした教育や引き継ぎを怠った創業者にあるのではないかと感じる。

もちろん、だからといって法を犯した条件下で従業員を働かせてはならない。けれども「二代目」が会社を潰すのではなく、引き継ぐ前の経営者にも大きな問題があると思う。

どこかで誰かがしっかりと伝え、もっと早くに改善していれば、こんなに多くの方に苦しませることがなかったのにと考える。そう思えば、社長だけが悪いわけではない。

様々な環境が重なって生まれた「ブラック企業」というものがあるのだと思ったものだ。

 

もしも、今現在ブラック企業に勤めて苦しんでいる方がいらっしゃれば、前回書いたように「良い妄想」をしてみるのもオススメだが、退職する前に客観的に今の状況を見てみれば、何か参考になることが一つくらいはあるかもしれない。

いずれにせよ、早く明るい先が見えることを祈っています。

ブラック企業は早く辞めた方がいい -ぬるま湯に浸かっていると慣れてしまう-

前回の記事では、「良い妄想」をして早くブラック企業を去る方がいいということを書かせていただいた。

go-white.hatenablog.com

私個人として、ブラック企業に在籍してしまった場合、本当に「辞めた方がいい」と思っている。そのブラック企業で「いつしか会社が変わらないか」と期待していて、必ずしも会社が変わるとは限らない。

もちろん、会社を変えようと努力して色々と実施してみるのも、ひとつの選択肢である。それを働いた本人が「やりたいこと」であれば、その意味は十二分にあると思うし貴重な体験にも繋がると思う。

けれども、本来就職する時に「会社を変える」ということが目的でなく、何か「やりたいこと」や「実現したいこと」があって働きたいと思うのである。その目的をしっかりと達成できるように行動することも一つの良い選択肢だと思う。だからこそ、辞めることができるのであれば、辞めた方が良い。

また、同時にブラック企業に居て感じたことがある。

ぬるま湯に浸かっていると、意識していないのにぬるま湯に慣れてしまう

私が、とあるブラック企業に就職してしまった際、最初にその企業の従業員に言われた言葉は、「一生懸命やっても意味のない会社だから、適当がいいよ」という言葉だ。

私にその言葉をかけてくださった方が、本当に私を思って言ってくれた言葉である。

けれど、その言葉をユーザーであるお客様が聞いたら、そんな場所でサービスにお金を払おうと思うだろうか。

こうした根本的なところが欠如してしまっているのである。

その方自身も、もちろんお客様のために一生懸命になっていた方である。(すでに退職した方なので過去形にしているが)にも関わらず、一緒にサービスを提供する方には「適当がいいよ」と。

その理由はもちろん、企業側にあって「まともな評価制度」も存在しなければ「キャリアパス」なんていう概念すらない。だけど、働いている側も、いつの間にか、それを変えることは無駄な労力となってしまい、考えることを放棄してしまうのである。

自分が一生懸命働いて稼いでも、そのお金は結局経営陣が儲かるだけ。
そんな風に思っていれば、それでも頑張れというのは、非常に困難なのは当然だと思う。そう思っているうちに、徐々に働いている方自身も、新人を育てるということよりも、怒られずに楽に出来る方法を探してしまうのだった。

これは、あくまで一つの例であって、全てに当てはまるとは言えないかもしれない。

豊かになれない環境で成長することを考えるのは難しいこと

ひとつの例として「適当がいいよ」という、優しいお声がけを出させていただいたが、一生懸命に働いても、それが自分の豊かさに繋がらないと分かっていて頑張ることは、誰でも非常に難しいことだと思う。

そうして、辛い環境の中で耐える方法を意識せずに身に着けている方が、非常に多い環境だったが、改めて考えると「お客様に対して、更に良いサービスを考える」などという意識を持っていない方(または、そういうことを考えること自体を放棄した方)は、意外と多い状態だった。

あくまで、そういう方々を責めている訳ではなく、そういう風に思っていなければ、辛い思いをしてしまうのだ。誰に言っても改善してくれるわけではなく、これまでに色々と努力をしたにも関わらず、それが報われることがなかった。

沢山辛い思いをした経験が、いつの間にか「傷つかない」方法を取る事に変わってしまった。という方は、ブラック企業の中では、きっと多いのではないかと思う。

ぬるま湯と表現してしまうのは誤っているかもしれない

そういう辛い経験をして、傷つかない方法を取っている方を目の前にして、「ぬるま湯」という表現は、あまりに残酷かもしれない。

けれど、本来仕事はお客様に良いサービスを提供することを考えなければならないし、働いているスタッフの幸福の事などを考えて行かなければならない。理想論に聞こえてしまうかもしれないが、そうした日々の仕事の努力が、お客様のためになり、自分の豊かさや、周囲の幸福と紐づくからこそ、多くの場合は努力が出来るのだと思う。

私もスタッフと面談しながら「今あなたが考えていること」が、優良な企業ではありえない考え方ではないかという点について、やり取りをしていると、多くの方は気づいてくれた。

慣れとは非常に恐ろしいもの

「ぬるま湯に浸かっていると慣れてしまう」と実感したのは、何より私自身である。そうした環境に居ることで「言ったところで変わらない」と、意識もしていないのにそういう考えを持つ習慣がついてきたのである。

何よりスタッフの将来をしっかり考えたいと、表向きに思っていても、どこかで「それは出来っこない」ことであるから、スタッフが楽なこと楽なこと。を選択していても「しょうがない」と感じるようになっていたのである。

いつしか指導をするときに「この会社での活躍よりも、転職した先で活躍できる能力」を考えて指導することが当然になっていた。

辛い環境の中で、一生懸命に前向きに働くスタッフが徐々に「お客様のサービス」のために頭を使うことより「自分が辛くならない方法」を考え、後ろ向きな姿勢に変わる姿を見ることは本当に辛いものだ。

けれど、そんな姿を目の当たりにして具体的行動がとれずに居る自分に気づいたのだ。とても一生懸命だったスタッフの一人が退職したのを機に「慣れてしまう」ことの恐ろしさを非常に痛感した。

居酒屋で最後に一緒に話し、お互いに涙し、本当はこんなことで悩みたいわけではないのに。と、会社の経営陣に対して涙した姿は今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。

そのスタッフ自身も、ブラック企業の環境に慣れることを避けて、自ら新しい場所に移ったのである。

自分が慣れてしまっていることに気づいてみよう

悪い環境の中で仕事をしていれば、いつしか「傷つかない」方法をとるのは、当たり前のことだと思う。けれども企業はお客様にサービスを提供して、その対価をいただいて成り立っている。そのため、お客様により良いサービスを提供しながら、働き手の成長や幸せのために活動しなければならない。

ブラック企業に勤めている場合、たまには原点に帰って「自分が慣れてしまっている」ということを客観的に見てみると、やりたいことが出来る環境を探したくなるかもしれない。

ブラック企業を去るには「良い妄想」をしてみる

実際に「ブラック企業を脱するために」と題して、ブログを始めたからには、今悩んでいる方のうち、ほんの一人でも救われていただければ本当に嬉しく思う。

けれども、実際に劣悪な環境で仕事をしていれば、なかなか前向きな行動を起こすような気力や勇気というのは持てない方が多いと思うし、そういう行動がとれる方は、恐らく私のような「誰か分からない」人が書いたブログを読まずとも、行動に移せるかもしれない。

ブラック企業」なんて辞めればいい。なんて簡単な問題ではない

ブラック企業に勤めている。となれば、「辞めればいい」と考えるのは普通の意見の一つかもしれないが、その環境で働いている方はそんな余裕もなく、行動するにも不安になってしまうことが当たり前になっていると感じる。

 「そんな会社、早くやめた方がいいよ」と言われても(読んでも)、そんな余裕がないほど、不安に駆られている方も非常に多いはずである。

もちろん、辞めた方からしてみれば、不安はあるにせよ、不幸な環境を脱した方が楽になると思うかもしれないが、生活のこと、将来のこと、再就職のことや、家族のこと。様々な悩みを抱えている状態では、辞めることすら「良い選択」と思えない状況に陥ってしまっていることも多々存在してしまうのである。

もしもブラック企業を変えたいと思って日々の仕事をしている管理職の方がいらっしゃれば、過酷な環境の中で「それだけ社員の方が追い詰められているかもしれない」ということは、常に念頭に置いておくべきだと思う。

希望に満ちて就職したのに、自分に対しての自信すら失いかけている。

そんなことを企業がしているのだ。

悪い環境を「自分だったらどうするか」と思って「良い妄想」をしてみる

決して、お薦めとは言えないが「いざ行動」と動けずとも、少し妄想をしてみることであれば、出来る方も多いのではないかと思う。

例えば「理不尽な要求を突然押し付けられた」とする。

もちろん、ブラック企業で働いていれば「なぜそんな突拍子もないことをいきなり言いつけてくるんだ」と思うことがあると思うが、そんなときに「もしも私が指導側の立場だったら、どういう風に仕事の指示をするか」を考えてみる。

あなたがブラック企業に勤めているならば、人一倍「されて嫌なこと」を理解していると思う。だからこそ、自分だったらどういう風にプロジェクトを進行させていくか、どういう風にチームを作るか、どうやってメンバーのモチベーションをあげていくか、そして、相手やお客様が喜ぶ姿を「映像として思い浮かぶ」まで、「楽しく」妄想してみる。

けれど、実際に妄想してイメージの中で仕事を進めていると、本当に成果が上がるのか、自分の指示で誰かに差別をしていないか。意外と「妄想」のくせに、見えるところが沢山あるものである。

なんなら、自分が経営者として独立した妄想をしてみる

どうせ妄想だと思って、せっかくだったら自分の好きなことで起業して、実際に社員を雇って、「人を育てて喜ばれ、お客様に喜ばれ、社会にも喜ばれる」そんなサービスを提供している妄想をすることも、とてもオススメだと思う。

どんなにビッグな妄想をしても、所詮「妄想」なので、誰にもバカにされないし、いつでもできる。

個人的に私が大切だと思うのは、「映像としてイメージできるほどに」妄想することだ。そこまでできれば、「妄想」のくせに、チームのメンバーやお客様が喜んでいる姿が目の前に浮かび、涙が出るほどに感動する。

さらに、自分を生んでくれた親が喜ぶ光景、妻や夫、子供など、身近な人が自分の成功を喜んでくれる光景までしてしまえばいい。

普段辛い思いをしている方こそ、本当に涙が出るほどに、人に喜ばれることの嬉しさや感動を味わうことが出来る。

騙されたと思ってやってみてほしい。必ず全員が出来るかは分からないが、寝る前のひとときでも、目の前に嫌な上司が居ないひと時でも、嫌な思いをしている頭の片隅でも。

所詮「妄想」と思ってても構わない

妄想なので、いつでもできる。たかが妄想と思っていても、意外と感動する方もきっといるのではないかと思う。

ちょっとしたひと手間でも構わないし、せっかく妄想するんだったら、妄想の中で提供しているサービスの品質についても、より良いものが出来ないか。もっとチームのメンバーや、妄想社員が喜ぶ施策がないか。

所詮「妄想」と思っていても構わないので、せっかくだから、自分の妄想に落ち度がないか、楽しみながら細かくチェックしてみると面白い。

そのうち、やりたくてたまらなくなる

人間の心理なのかどうかはさておき、面白いもので喜ばれる光景を詳細にイメージしていると、本当に疑似体験したかのように「嬉しくなる」ことがあったり、感動して泣けてくることがある。

さらに、細かな点までイメージしていると、企業ですら気づかないような細かな配慮が出来ている自分に気づくことがあるかもしれない。

何に気づくかは、妄想した本人にしか分からない。妄想した感動は妄想した人にしか分からない。

けれど妄想なのに、それをやりたくてたまらなくなる。

メンバーや社員に喜ばれ、お客様にも喜ばれ、社会にも喜ばれ、自分の家族も友達も祝ってくれている。そんなこと「できるのであれば」絶対にやった方が良いと思う。

やりたくなると、もっと妄想してみる

実際にやりたくなると、もっと細かな点まで妄想してみるといい。

今まで気づかなかった、ユニークな問題解決法や、課題が見つかるかもしれない。自分で解決できそうにない課題は、自分で勉強してみてもいいし、検索して調べてもいい。また、仕事の片隅に「妄想している自分の会社」の事を置いておけば、意外と身近なところに、思わぬ解決法が落ちているかもしれない。

頭の中に、色んな良い妄想を点在しておいておけば、それはきっといつか、線になって繋がるときがあると思っている。

それがもしも事実であれば、妄想したもの勝ちである。

気付けば、妄想の中で嫌な上司や経営者を超えてしまうくらいが理想だ

あなたの中の妄想企業で、あなたが経営をしているならば、あなたは従業員やお客様に、とんでもなく喜ばれているだろう。

そうなれば、あなたは「妄想の中では」すでに実在している目の前の上司を超えているだろう。なぜなら、その上司は人を苦しめるような指示の仕方しかできないのである。

そう考えてみてほしい。なんだか哀れみすら感じるほど、自分の方が色々と見えているかもしれない。

本来、そうしたイメージを具現化するのが経営ではないだろうか

全てが当てはまるかは、私は優れた経営者ではないので、何とも言えない。

けれど、本来企業を経営することは、こうして全ての方に喜んでいただける仕組みやルール、教育など、様々なことを構築していくのが当然のことだと思う。

そして経営している方や、部下を持っている方は、常に人が喜ぶ姿をイメージして、試行錯誤したり、施策を考えたりしているものだ。

この時点で、いつの間にかあなたは優れた経営者や管理職の方々と同じようなことをイメージできるようになっているかもしれない。

なんだか、自分で夢物語の様に書いているが、それは本当のことだと思うし、今はそうしたアイデアは実際に行えるチャンスは沢山ある。

もしも、それをチャレンジしてみたくなれば、実際にそれを調べてみたりしてみればいい。気づけば「自分でやった方がいい」と感じているかもしれない。

ブラック企業で苦労しただけでも、ひとつのキャリア

ブラック企業で働いている方の多くは、自分に自信が持てない。

悲しいことに、どんな前向きな意見を聞いても、自分には他人事のように聞こえたり、夢物語の様に思えてしまう。だからこそ転職する勇気も退職する行動力も持てない。

そこに経営陣は甘えてしまい、労働環境を改善しようとすら思わない。考えただけで最低だ。

けれども、もしもあなたがブラック企業で苦労しているなら、少なくともその痛みを知っている。「人の痛み」を知っていることは、働く上でとても大切なことである。

人を傷つけないように配慮が出来ることは、それだけで十分に優れた能力であると思う。今はそんなこと言われてもと感じるかもしれないが、妄想の中で、その能力を発揮してみてほしい。

いつか、その妄想を実現できるように、とてつもなく幸せな妄想をまずは思い描いてほしい。きっとあなたの応援者は見つかるはずです。

そもそも「ブラック企業」とは

ブラック企業を脱するために」としてブログを始め、私自身の経験が悩んだり苦労したりしている誰かの、少しでもお役に立てればと思い、どんなことを書けばいいだろうと常に頭の中にあるが、そもそも「ブラック企業」とは何かを考えなければならない。

ブラック企業」とは

ブラック企業」という言葉は、今や一般的な言葉として使用されているが、いざ自分自身でも考えてみた場合、明確な基準とはなんだろうと感じた。

実際にgoogleで「ブラック企業 定義」と検索してみると、厚生労働省のページが表示され、以下のように記載されている。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
このような企業に就職してしまった場合の対応としては、第一義的には会社に対して問題点の改善を求めていくことが考えられます。しかしながら、新入社員が単独で会社に問題点の改善を求めて交渉等をするのは現実的には非常に難しいと考えられます。したがって、問題点に応じて、外部の関係機関労働組合に相談することも有効な手段と考えられます。

長時間労働」「ノルマ」「賃金不払残業」「パワハラ」「低いコンプライアンス意識」「こうした状況下で労働者に対し過度の選別を行う」

確かに、読んでみるとブラック企業に当てはまる項目だと思う。

しかしながら、実際に企業の中で仕事をしていると、これに当てはまらずとも「うちはブラックだよねー」という声は非常に多いものである。

ブラック企業」とは、働く社員がそう感じているか

私自身、複数の企業で管理職を経験し、明らかなブラック企業で務めて非常に感じたことは、ブラック企業とは、働いている社員の方がそう感じていれば、十分にその可能性を秘めているということだった。

自分自身が働きながら「うちはブラック企業だよな」と思っていても、実際にはそういうこともなく、なんとなく頭の中では「そうではない」と理解していれば、それはブラック企業でないかもしれない。(もちろん明らかな法令違反などがないということが前提だが)

ただし、どう考えても解決できない問題があり、それを誰も解決してくれない。(またはできない)という状況が発生している状態であれば、私はその会社がブラック企業の「予備軍」と言ってもいいのではないかと感じる。または、すでにブラック企業だと言っても過言ではないかもしれない。

逆に長時間勤務をしていても、自分自身のためになると頭の中で理解しており、学びながら自身の成長と日々の仕事がしっかりと紐付いていれば、「ブラック企業」に当てはまるような条件下で仕事をしていても、決してブラック企業と感じることはない。(ただし、それを押し付けることにより、働き手がストレスを感じていなければ)

ブラック企業」は社会からなくなった方がいい

決して「いいことをしていればブラックではない」と言っているわけではない。

私自身、ブラック企業で管理職をした経験を通して感じたことは、やはりブラック企業は社会から無くなった方がいいと、本当に感じた。ただし、管理職として私がチャレンジしたことは、会社を潰すなどということではなく、良い会社に変化させ、一生懸命に働いている社員の方々が、幸せになれるようにと精一杯に努力してきたつもりである。

企業は本来、働き手である従業員、買い手であるお客様、地域や社会に対して、全てにおいて優れた活動をしなければならない。

実際に事業の運営の中では、良いこともあれば、悪いこともある。それでも、全てにおいて優れた活動をしなければならない。

ブラック企業」は潰れてしまえば、もちろん社会からなくなるが、方法はそれだけでなく、経営者の交代など、様々な方法で世の中からなくなることはできる。働き手である従業員の方々が、いっせいに別の企業に転職してしまえば(または退職すれば)、その企業はなくなってしまう。

実際に働いている人は「嫌なら辞める」などとシンプルに考えきれない

悪い(劣悪な)環境下で仕事をしながら、時には社員の方に転職をそれとなく推薦することもあれば、そのお手伝いを実際に行った経験もある。

しかし、実際に嫌だからという理由で「転職」や「退職」とシンプルに決断できる方は、多くはなく非常に大きなストレスや不安を感じながらも、精一杯努力している方が多いと感じる。

これは、私がいた企業に関わらず、きっとその他のブラック企業でもそうではないかと思っていることである。とても辛い環境の中で働き、時にストレスに押しつぶされそうになり、時に裏切られ、時に将来の不安に眠れず。

そんな大変な日々を送っているにも関わらず、「どこかで今の会社が変わってくれれば」という期待を持っていたり、「誰かが会社を変えてくれる」という希望を持っていたり、退職後の不安が大きく、行動する勇気が持てなかったり。

そういう気持ちを持っているからこそ、辛い環境の中でも必死に仕事をして日々、お客様や自分の仕事に向き合っている。本当にそういう方は多く、優しかったり、弱かったり、孤立していたりと、そんな環境だと感じた。

表面上では「ブラック企業」ということは、簡単に見抜けないケースもある

様々な思いから、辛い環境の中でも一生懸命に仕事をしている方が多いブラック企業では、ユーザーの立場からはブラック企業と見抜けないケースが非常に多いと感じる。なぜなら、色々な悩みを持ちながらも、そこで働く社員の方々は必死に自分の仕事をしている。

実際にお客様の立場としてその会社と接していれば、「良い会社」だと感じてしまうのである。それは、そうした「悩みを持ちながらも一生懸命に自分の仕事を全うしている社員」の方々にサービスを提供されているからであり、その企業の社長やオーナー、またはブラックたる所以の人にサービスを受けているわけではないケースが多いからである。

そのため、悩みを持った社員が、ふとしたきっかけでユーザーやクライアントの方に、ちょっとした悩みを口にしても「いやいや、お宅は良い会社だよ」などと評価され、辛さを理解されずに、さらに辛くなってしまっていたりするのである。

もちろん、全てがそうとは言い切れないが、少なくともそういう状況は絶対にあると感じている。だから「入社前は良い会社だと思っていたのに、入社したらブラック企業だった」という方もいるのではないかと感じることもある。

ブラック企業で働く方は、なかなか友人にも相談できないケースが多い

自らの力で、辛い環境を脱することができる方は、周囲に相談できる友人や仲間がいたり、自分自身の力で別の会社に転職したりと、その辛い環境から抜け出すことができる。しかしながら、ブラック企業で長く勤めていれば、なかなか愚痴を聞いてくれるような友人がいなかったり、いたとしても一緒に遊ぶ時間がなかったり。

さらには、自分の仕事を一生懸命に全うする方であれば、懇意にしてくださっているお客様にもそういう雰囲気を察していただくことはない。

勤務時間が長くプライベートがない場合は当然だが、休みがあっても辛くリフレッシュする気分になれず、自宅でゆっくりしてしまう習慣がついてしまえば、そもそも友人と言える関係性の仲間がいるのか不安にもなってしまうというケースも非常に多く存在する。

また、人が良ければ良いほど「友人には自分の愚痴を聞かせるなんて」と、そんな箇所にまでサービスが行き渡っている方もいる...

そもそも、辛いのに「楽しく遊ぼう」と割り切れないという方も非常に多い。年を重ねて、そうした相談を持ち出すのを恥ずかしく感じるケースもある。

なかなか見抜けない「ブラック企業

明らかなブラック企業は、当然のことながらわかりやすいかもしれないが、きっと世の中に存在する多くのブラック企業は、きっと様々な状況の中で、簡単に見抜けない状態になってしまっているケースが多いと思うが、それでもちょっと見方を変えれば「気づくようなポイント」も多く存在する。

私が経験したことが、それを見抜く全てではないが、ブラック企業に就職してしまわないために、またはブラック企業で辛い思いをしている方は、その環境を去ることができるように、またブラック企業を変えようと思っている方は、それが実現できるように。

私の経験が、たった一人でもいいので、誰かの辛さを解決する手段になれば本当に幸せである。

ブログはじめます

ブラック企業を脱するために」と題して、はてなブログを始めました。

ブログを始めるに至っては、どうしようかと悩んだところもあったが、実際にブラック企業で管理職を経験した私は、その中で働く方々の悩み、素晴らしい人やジレンマ、解決する手段の見つからない不安、様々な状況を目の当たりにしてきた。

私が管理職として行ってきたことが「正しい」かと問われると、多くの反省の繰り返しである。

その経験の中でブラック企業にありやすいパターンや発言・言動。その環境を脱した方の勇気やチャレンジ精神、涙、様々なことを経験し、私自身も本当に多くのことを考えさせられた期間だった。

そして、同じような思いを持っている「ブラック企業」の管理職の方々の少しでもの励みになれば。また「ブラック企業」で働いており、悩んでいる方のほんの少しでもの励みになり、私自身の経験も少しは社会に価値があればと思い、書き綴らせていただきます。

合わせて「ブラック企業」に就職してしまわないように、ブラック企業にありやすいパターンと感じるものも書き綴らせていただきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。